歯の矯正ってどの方法がいいの?
歯の矯正をしてもらう歯医者はどういう基準で選べばいいの?
自分の歯に合った方法を選びたいけど、歯医者の選び方がわからない。
何個くらい歯医者をみて決めればいいかわからない。
最近はインビザラインはおすすめと聞いたことがあるけど、本当なの?
社会人で30歳にもなるとお金にも余裕が出てくるので、歯列矯正などができるゆとりが出てきます。
歯列矯正をすることで、歯並びが良くなり虫歯になりにくくなります。
個人個人お歯並びによって、最適な歯列矯正の方法は異なります。
インビザラインが得意とする歯列異常、ワイヤーでないと治せない異常など適応が異なります。
だからこそ、その情報を発信することは非常に大きな意味がありますし、それを求めている方は多いです。
また、コロナがなくなって、マスクなしの生活になった時に、整った歯が笑顔で見えることは非常に魅力的になります。
歯列が整うと、噛み合わせも良くなるので、顎の負担を消したり、左右の頬の筋肉も左右対称になります。
しかし、矯正を検索しても出てくるのは歯医者の宣伝ばかりのため、実際に矯正を行った個人の感想も含めてまとめました。
虫歯治療であれば、気に入らなければ歯医者を変えれば大丈夫ですが、歯列矯正は費用も高額で、期間も2−3年はかかりますので最初の選び方が重要です。
こんな方におすすめ
- 自分に適した歯列矯正の方法に興味がある
- 30代でも歯列矯正をやるべき理由を知りたい
- インビザライン、ワイヤーのメリット、デメリット、適用を知りたい
- 実際に矯正をした個人の感想を知りたい
ということがわかるので、ぜひ最後までお読みください。
私は、現在は獣医師として、主に整形外科手術を担当にして、働いています。
以前は東京大学で勤務し、学会でもアワード賞をいただきました。
その際に勉強になったおすすめの教科書をご紹介します。
詳しくは、『プロフィールや獣医師そらんの手術歴』をお読みください。
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管理者のプロフィール
こんにちは、獣医師そらあんです。 この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。 今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭 ...
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Contents
30歳代獣医師のおすすめ歯列矯正(ワイヤー、インビザライン)のメリット、デメリット、期間、費用
大人からでも歯列矯正をするメリット
大人になってから、歯科矯正なんてする必要ある?と思っている方は多いんじゃないでしょうか?
- 周りの人はあんまり歯科矯正していないし、、、
- 歯科矯正って見た目だけじゃないの?
- 矯正していなくても虫歯にもなっていないし、歯磨きもできているけど、、、
- 時間やお金をかけるほどのものなの?
実は矯正には、見た目の歯並びだけをよくする以外の良い点がたくさんあります。
近年、人生100年時代と言われるようになりました。歯並びの良し悪しは生涯残る歯の本数に大きく影響を及ぼし、歯が少ないと認知症のリスクも高くなると言われています。
自分が考えた中でも、大人からであってもきれいな歯並びになるメリットはかなり多いです。
人間社会なので、ほとんどの社会人は人と会って仕事をしていると思います。
会う人数に差はあるものの、働いているということは、他の誰かのためになる仕事をしているということであり、この人間社会で働く以上、人ー人の関係からは逃げることはできません。
特に私は獣医師をしているので、日々多くの患者と、仲間の獣医師、看護師と共に仕事をしています。
そんな中で社会人の歯並びがいいことは、見た目の印象が良いため接客業には非常に有利です。
今はマスク社会が3年も続いていますが、このマスクの間に歯並びをきれいにしておくと、
マスクがいらなくなった社会に戻った時に有利に働くはずです。
矯正するにあたり歯医者から教えてもらったものも含めます。
- 笑顔に自信が持てる
- 顎の噛み合わせが良くなり、顎の負担が減る
- 歯磨きがしやすくなる
- 横顔がスッキリする(Eラインがきれいになる)
- 虫歯、歯周病になりにくい
- 口臭が軽減する
- 歯の磨耗を軽減できる
- 骨格的な問題も改善できる
Eラインとは、横顔の鼻先と下アゴの突端部を直線で結んだラインのこと。
正式にはエステティックラインと言います。この線上や内側に唇が納まっている横顔が美しいと、1954年に歯科医ロバート・リケッツが提唱した美の基準のひとつです。
横顔から見て、人差し指を鼻先とアゴ先にまっすぐ付けた時に唇が人差し指につかない・もしくは少し触れる程度の状態が理想のEラインと言われています。
大人からでも歯列矯正をするデメリット
治療をする上ではもちろんデメリットもあります。
特に歯科矯正は顎の骨が決まりきっていない小児に始める方が望ましいですが、メリットが遥かにデメリットを上回ります。
もちろん80代90代の方が行うメリットは少ないですが、30代であれば、これからの方が自分の口と付き合っていくことの方が長いからです。
抜歯 虫歯や詰め物が弊害
- 2−3年など時間がかかる
- 矯正が終わったとも、歯が戻らない様に保定装置の装着が必要
- 虫歯や詰め物、被せ物をしていると弊害になることも
- 仕事中の見た目がよくない(ワイヤーの場合)
- 食事に何らかの制限がつくことがある(色素の強いものや間食など)
- 話しにくい(すぐに慣れる)
- 痛みを感じることがある(すぐに慣れる)
- ワイヤーは歯磨きがしにくく虫歯になりやすい
しかし、今は、幸いなことにコロナウイルスでマスク生活です。
マスクであれば口元が、見えることも少ないです。
このマスク生活が終わる間に矯正をしてしまいましょう!
大人からでも歯列矯正の選択肢:ワイヤー、インビザライン
実際に大人ができる矯正方法は、主にワイヤーと最近主流になってきているインビザラインになります。
子供であればゴムやヘッドギアの様な骨格から変えることも可能な様です。
ワイヤー
特徴
ワイヤーで歯と歯の間を詰めることで並びを良くする方法
100年以上前からある完成された手法のため、どんな歯列も抜歯を組み合わせれば矯正可能
歯列そのものを小さくしたり、奥にすることはできず、一列に揃えるための方法のため、そのためには親知らず以外の抜歯が必要
値段
70-80万円程度
メリット
取り外しをしなくてもいい
色素の強いものやお茶なども飲める
コストを抑えることができる
デメリット
見た目が良くなく目立つ(透明のタイプや裏側矯正もある)
歯磨きがしづらいため虫歯のリスクが高い
痛みがあり
適応
ほとんど全ての歯列に適応可能だが、歯を後ろに並べる手法では無い
上の前歯が下の前歯よりも前に出ている=出っ歯や上の前歯が下の前歯を完全に覆っている歯列の矯正を得意とする
裏側矯正
ワイヤー矯正は歯の正面につけるので目立ってしまうが、そのデメリットを無くしたのが、歯の裏側につける矯正
裏側につけるので目立たず、鳥はずをしなくてもいいという通常のワイヤー矯正の利点もある。
しかし舌書きづついたり、表側につけるよりもしゃべりにくくなる。
また表側のワイヤー矯正よりも効果で120万程度
インビザライン
特徴
近年20−30年で急激に発達してきた方法
まだ適応がはっきりわかっていないが、現在までどんどん多くのことがわかってきている最新の方法
ワイヤーの歯と歯の間の距離を詰めて短くする方法ではなく、歯そのものを少しづつ後ろに動かしていく方法
ずらしていく方法のため、抜歯をせずに歯と歯の間を削る方法(IRR)でスペースを作る方法がある
オルソパルスという加速装置が使用可能でメルカリでも販売されている。(新品は20万)
値段
90-120万程度
メリット
取り外しが可能
歯を磨きやすいため虫歯になりにくい
目立たない
本社がアメリカになり、日本では歯の肩だけ取って、その情報を送りマウスピースが送られる仕組み
5年間はマウスピースを作り直し無料
ワイヤーと比べて痛みが少ない
基本的に治療は、患者任せなので、歯医者の技術が必要とされず、近くの歯医者でインビザラインさえ作ってもらえれば矯正がスタートできる
ワイヤーほど歯医者の経験や知識、技術を必要としない
デメリット
装着時間が短いと効果がなく、自己管理能力が必要
1日のうち20−24時間装着が必要
食事中は外す必要があり、装着中は絶飲食
装着中はお茶など色素が入っているものは飲むことができず、水のみ
マウスピースがアメリカからくるため、治療開始に時間がかかる
適応
手術と組み合わせることができない
まだ完成された方法ではないため、わかっておらず、途中でワイヤーになることもある
インビザラインiGo
上下の前歯のみの矯正
前歯のみなので出ている歯に合わせ、スペースがないため歯列は整うが出っ歯になる
治療期間が短く、コストが抑えることができるが全ての歯の治療ではないため、症例は限られる。
それ以外のメリット、デメリットは、インビザラインと同じ
自分に合うのはどこか、何が適応か
私自身は2つの小さな歯医者、2つの大きめの歯医者、1つの矯正歯科専門の歯医者を回りました。
どの歯医者も、地域名・歯科矯正で調べて
詳しくHPに記載しているところ、かつ、無料でカウンセリングをしている歯医者のみに絞って、カウンセリングを受けました。
無料と書いていないところにも、相談可能と書いてあったので連絡してみたところ、後日メールで日にちと相談料がとられるところもあるようで、
まだするかしないか、方法も定まっていない状況で料金を払うのは気が引けたので、そう言ったところは除外しました。
どこの病院でも、親知らずは普段の食事でも使っておらず、虫歯になるだけなので歯列矯正をしない人でも抜歯が推奨される、と言われた
実際に歯医者を受診
A 小さな歯医者一つ目
最初に行った病院はメインは虫歯治療をやっている病院で、HPでインビザラインを詳しく書いてあったので選んでみた。
最近は技術力があまり必要としないインビザラインが出てきたため、矯正治療に経験が乏しい歯医者でも患者獲得のために受け付けているのだそうだ。
ここはでは歯周病の治療を先しましょうと言われ、矯正に関してはインビザラインのみで、詳しい人とメールでやりとりして指示を受けて行うとのこと。
抜歯の有無も今は答えられないとのことだった。
インビザラインでの一般的な今年か説明してくれず、詳しいことは聞いてみないと不明とのことだった。
こう言ったことができるのも、インビザラインの良い点ではあるのですが、不安を覚えここでは保留。
ここでの説明は口の中にスキャナーを入れられて、インビザライン専用のタブレットのようなアプリで、どのように歯が動くかのシミュレーションでの説明だった。
費用は120万円程度、1ヶ月に一回の通院が必要でその診察料は別途3000円程度。
B 小さな歯医者2つ目
2つ目に行ったのは矯正専門の病院だが、インビザライン専門で、できて2−3年。
この歯医者でのインビザラインは60人が実績とのこと。
カウンセリングで初めは、インビザライン専門の資格を持った衛生士の方が対応してくれた。
情報としては概ね一つ目の病院で聞いた通りだったが、さすがに一つ目と異なり経験があるのか、インビザラインにかなりの信用を置いている様子。
インビザラインで適用でない歯列はないと言われ、時間はかかるが親知らずの抜歯のみで全ての歯を動かせるとのことだった。
ここも口の中にスキャナーを入れられて、インビザライン専用のタブレットのようなアプリで、どのように歯が動くかのシミュレーションでの説明だった。
実施人数からここも保留。
C 大きめの歯医者1つ目
次に行ったのは、比較的大きめの病院で、HPにも矯正治療の実績がかなり詳しく載せられていた。
矯正はワイヤーとインビザラインの両方をやっているところで、院長もかなり経験を積んできた人のようだった。
ここはインビザラインがはやる前から、ワイヤー矯正を頻繁にやっていて、インビザラインには懐疑的な印象で、
学会での発表を見てもインビザラインだけでやるとトラブルが多いとの感想を聞くことができた。
正直今までの病院や、ネットでもインビザラインの良いところしか書いていない、言われないから不安になっていたので、かなり信用できる病院と感じた。
今までの治療数は2000例を超えているとのこと。
ここでは、先生の経験から親知らず以外も二本抜歯をして、ワイヤーである程度寄せてから、インビザラインに切り替えるとのこと。
インビザラインだけではだめなんですか?と聞くと、「君の歯のずれだと、経験上インビザラインだけではうまくいかないことが多いので、ワイヤーとの並列を勧めるし、そもそもインビザラインだけで戻せる症例は少ないよ」とのこと。
ここは他の病院のように、スキャンで立体的な歯のモデルを取って、矯正のシミュレーションではなく、先生が実際に歯を詳しく見てくれて、歯の中心のずれや顎のずれなど詳しく教えてくれた。
おそらく経験だけがその自信と、確信を持たせるのだろう。
費用は110万円程度で、期間は2−3年とのこと。
親知らず以外の抜歯がネックなのと、期間がかなりかかりそうでここも保留。
D 2つ目の大きめの歯医者
二つ目の大きめの病院は今までの中で一番大きな歯医者で、無料のカウンセリングなのにも関わらず、スキャンとレントゲン検査、口元のデータまで取って説明してくれた。
しかし、1日目は助手による簡単な説明とデータ取りだけで医師からの説明はなく、完全に分業が進んで、廃車はデータが揃ってから説明する仕組みのようだった。
2回目の再度受診を指示され、説明のためだけの受診は面倒だった。
2回目での説明では、この病院も歯科矯正の先生は別とのこと。
しかし、院長自身は歯の治療はかなりの実績があり、病院も大きく、この病院で矯正すると、矯正中の虫歯などのトラブルはすぐに同じ病院で治療できるとのこと。
親知らずの抜歯は必要だけども、口腔外科の先生に紹介する、ということだった。
院長自身も矯正専門ではないが、病院では3000以上のインビザラインの症例があるとのことで、歯が整った後の歯肉を盛らせる方法や、下の前歯の隙間を無くす方法など、実際にインビザラインで矯正したことのある経験をもとにした説明を受けた。
この中でCかDに悩み中で、最後に矯正専門医に病院に行ってみた。
E 矯正認定医の資格を持つ院長の病院
最後に行った病院は歯の矯正のみを行っている病院で、それ以外の治療は一切、虫歯の治療もしていない。
ここの病院によると、歯科には、歯科、矯正歯科、口腔外科、小児歯科の4つに分かれるらしい。
全国には7万件ほどの歯科医院があるそうで、その中で矯正歯科を専門にしている医院は1000件(1.4%)程度とのこと。
ここの先生もインビザラインと、ワイヤーを併用することもあるとのこと。
ただし、その人の虫歯などの状態によって、一部分のみ歯をおきく動かしたり、噛み合わせを整えるために他の方法も組み合わせるとのこと。
そしてここに最終的に決めたわけなんだけども、矯正に自信があるからなのか、費用はワイヤーもインビザラインも同じ。
患者の理想に持っていくための矯正治療として85万円で、親知らずの抜歯費用はもちろん入っていないが、検診や調整費用も全て含まれるトータルフィー制度とのこと。
これにより、途中で矯正方法を変えても、治療が延長しても、満足仕上がりまでの費用は変わらないとのこと。
また矯正治療終了後に歯の位置をとどめておくための装置も費用に含まれているとのこと。
最後にこんな話を聞いて、費用的にも、先生の自信や経験から考えてもここでお願いすることにした。
歯科矯正をやる歯医者を決める方法
自分なりに、いくつか歯医者に行ってみて、今回選んだ基準をまとめてみました。
- 通いやすさ
- 矯正の専門であるかどうか
- 先生との相性
- 費用
- デメリットも話してくれるかどうか
人によって優先するべきことは変わると思いますが、費用体系の話を聞くと、目的とする歯列が完了するまでは料金が一定のトータルフィーがお勧めします。
最も個人差が出るのは院長との相性だと思います。
安くはなく、短くない期間を任せることになりますので、自分の性格に合った、信頼できる先生を選んだほうがいいです。
人によっては詳しく説明してくれる人が良い場合もありますし、違う人によっては難しい説明はいいからという人もいます。
他にも無骨な先生の方が職人気質で信頼できる!という人もいますので、ここは実際に話して決める必要があります。
先生の技術力が心配!という人は認定制度がありますし、また今までの症例数や、先生の話が何を根拠にしているのかを聞いてみるのがいいと思います。
歯科矯正を始めるまでの流れ
まずは無料相談を受けて、納得のいく病院で矯正治療を決めます。
カウンセリングが終わると、次に行うのが検査と診断になります。
ここでは歯のレントゲンやCT検査、インビザラインで行く場合はシミュレーションを行うためのスキャンニングを行います。
この検査をしてから診断までに3週間から4週間かかります。
そして診断結果を聞きに受診して、ここで初めて矯正方法や期間が決まります。
その時点で同意すれば、費用を払って、矯正器具の作成が始まります。
インビザラインであれば、ここからデータをアメリカに送って、マウスピースが作られるため、さらに開始までに1か月かかります。
そのためおおよそ、矯正をしようと決めてから開始までに2か月程度はかかります。
効果が認められるには、初めてから半年くらいはかかりますので、何か結婚式など予定がある方は早めの準備がお勧めです。
30歳からでも歯科矯正をやるべきかどうか
接客業でない方も含めて、歯列がガタガタと自覚があるのであれば、健康寿命を伸ばすためにも矯正は非常にお勧めです。
高額な点がネックですが、デンタルローンが組めることも多く、また社会人であれば払えないほど高額というわけではありません。
虫歯治療ではないため、医療保険は適応にはならず、高額医療費制度は無理ですが、
医療費控除は可能なので、確定申告を行えば、住民税や所得税が軽減されます。
完全な接客業である獣医師だからこそ、飼い主に初対面の印象を良くするためにも歯列が整っていることは非常に重要です!
歯の矯正は見た目以上に病気の予防や顔の筋肉の吐き方、食べ方、余命にも大きく関わりますので、ぜひ前向きに考えてみてください!
本ブログでは、詳しく知りたい飼い主、獣医学生、進路や勉強に悩んでいる獣医師向けに、
出来る限り詳細に書いていますので、ぜひ他の記事もお読み下さい。
参考になれば嬉しいです。ここまでお読みいただきありがとうございました。