- 普段の診察で、心臓や肺の音を聞いているけどよくわかっていない。
- 実は聴診が不安で、しっかり勉強したい。
- 今聴いている心臓の音が正常かどうか知りたい。
- 心臓と肺の聴診の正しい知識を身に付けたい。
- 聴診の勉強をどうしたらいいかわからない。
- いい聴診器があるなら知りたい。
聴診は非常に基本的な技術で、いろんな病気の心音と肺音を聴くことが重要です。
また正常を知らないと異常がわかりませんし、
異常の場合も音の聞こえ方によって、病気が診断できることもあります。
それには、経験がものをいいます。
でも実際の臨床の現場で、そこまで意識して聴いたり、病気とわかって、心音と結びつけることは難しいですよね。
また、病気や手術についてのセミナーはたくさんありますが、心音や、肺音に関しては、かなり主観的であるため、あまりセミナーもないです。
またセミナーで、スピーカーで心音と肺音を聴いてもいまいちピンときませんよね。
教えてもらっても、いざその症例に出会わないと音の情報は忘れてしまいます。
職場の先輩に教えてもらっても、聴診器は別なので、同じ音が聞こえているのか不安になりませんか?
「この音が異常だよ!」
と言われても「これ?」ってなったり、「次聞いても自分じゃわからない...」
ってなりますよね。
心臓と肺の聴診は非常に基本的ですが、判断が難しい分野です
しかし、犬と猫の負担が少なく、手軽に聴くだけで異常がわかることもあるので、身に付けると非常にいい武器になります。
また、犬や猫が健康診断や、予防の時に、長身をして異常を見つけることは早期診断にもつながります。
一方でその技術の習得には、長年・様々な症例の経験数、知識量に依存します。
では若手や新卒の獣医師、心臓の病気が多くなく経験ができない病院では、聴診の勉強はできないのか?
今回は、心音と肺音の聴診を誰でも勉強ができる方法について解説します。
こんな方におすすめ
- 犬と猫の聴診の勉強をしたい
- 犬と猫の、心音と肺音の聴診が不安
- いろんな病気の肺音、心音を聞いてみたい
- 正常な犬と猫の肺音、心音を知りたい
- いい聴診器を知りたい
ということがわかるので、ぜひ最後までお読みください。
私は、現在は獣医師として、主に整形外科手術を担当にして、働いています。
以前は東京大学で勤務し、学会でもアワード賞をいただきました。
その際に勉強になったおすすめの教科書をご紹介します。
詳しくは、『プロフィールや獣医師そらんの手術歴』をお読みください。
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管理者のプロフィール
こんにちは、獣医師そらあんです。 この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。 今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭 ...
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Contents
犬と猫の心音・肺音の聴診勉強法と現役臨床獣医師おすすめの聴診器!
獣医の聴診
小さな雑音も的確に判断できる
→「よい耳」の持ち主
一通りできると思うが、自信がない
→もっと勉強・経験すれば問題ない
大きい雑音が聞こえない
→努力次第で実力がつく可能性あり
出てもいない雑音が聞こえてしまう
→幻覚・幻想
犬と猫の聴診の勉強におすすめの教科書
これから聴診を学ぶ学生・どうにかして聴診の腕を磨きたい先生必見!
下記のポイントが解説されていて、入門書としてもお勧めです。
聴診は果たして身体検査の一部か?
聴診器の詳細と聴診前の準備,心構えも解説
どうして心臓から音が出るのか?
心音の発生機序を血行動態と関連させ、各種異常心音,心雑音,不整脈の検出・評価法を解説。
聴診所見と治療方針の関連性を解く。
なぜ肺の音は理解しにくいのか?
呼吸音の名称と分類を整理し,各種異常呼吸音の発生機序と診断意義を解説
「耳を作る」のに最適な本
心音
聴診は豊富な情報を患者から得ることのできる基本的なツールであり、その重要性に今も変わりはないです。
聴診技術の向上は経験の問題ともいえますが、このCDには多くの病態の聴診所見が解説を加えて録音されており、
繰り返して学ぶことにより技術の向上がはかれます。
いろんな種類の雑音を聴くことで、判断材料・知識・自分の経験となります。
肺音
呼吸音の聴診は,心音聴診と同じく感覚に頼る診断技術であり経験と修練が要求されます。
呼吸器聴診の基本を把握し、音の識別に習熟するためのトレーニングブックで、添付CDには多くの病態の聴診所見が解説付きで録音されています。
CD収載症例が増えて、動画も加えて、一層の充実しました。
呼吸の異常が出ている場合は、状態が悪い犬や猫が多く、ゆっくり落ち着いて聞けないですよね?
また、若手だと、重篤な患者は担当できないことも多いので、経験として、
音を覚えておいて、見逃さない様にしておきましょう!
獣医師おすすめの犬と猫の聴診器
ステロフォネット
心臓・呼吸器の両者の聴診に適しています。
国産
心雑音とラッセル音の聞こえ方は最高!
リットマンに慣れていると、スプリングが弱く、フィット感に難あり。
・ステレオフォネットシリーズの上位機種です。
チェストピース(リングを含め)、耳管もステンレス製とし、より卓越した聴診性能を誇ります。
・音の強弱や音質だけでなく、音の広がりや動き、音源の方向などより詳細な情報が聴診できます。
ステレオフォネットは左右が完全独立した集音・伝音の構造をしています。
中央に仕切りを持つ一体成型のチェストピース、ダイヤフラムを抑えるリング、耳管まですべてに音響効果の高いステンレスを採用しています。
ダイヤフラム面、ベル面は通常のダブルタイプと同様シャフトを回すだけで切り替え可能です。
チェストピースは中央の仕切りにより左右に分割され、それぞれ独立したTWO-IN-ONEのチューブに接続されています。
左右が完全独立した収音、伝言の構造です。
チェストピースは中央にしきりにより左右に分割され、それぞれ独立したツーインワンチューブに接続されています。
このため音や音源の方向、動き、広がり感など、より詳細な情報の聴診が可能です。
この構造により、従来型聴診器では埋もれていた重要な聴診音の左右差情報を得ることに成功しました。
ステレオ聴診器による聴こえ方
呼吸音
気管支音、肺胞呼吸音が広がりのある音として聞こえます。間質性肺炎による捻髪音が鮮明に聴こえます。
心雑音
血流の乱れによる心雑音は方向性を持って空間に広がる音として聞こえます。
心雑音の際経典の判別が容易です大動脈弁疾患でのto-and-fro murmur は生々しい音で聞こえます。
正常心音
Ⅰ音Ⅱ音は点発性の音のため中央に定位した広がりのない音として聞こえます。
耳管を耳に合う角度に調節可能です。
羽も左右に開いたり内側に寄せる様にすることで圧着加減を調整可能です。
また、回転イヤーピーズは耳に装着したまま聴診器を動かしても内部のパーツだけが動いて、耳にフィットしているパーツは
動かない仕組みなので、事項の摩擦が軽減されます。
Allen Light Gemini
心臓・呼吸器の両者の聴診に適した聴診器
軽量
何年にもわたりこの聴診器を愛用・常用している
手放せません(キッパリ)
ヒトの頭部CT 画像:耳管の角度に注目(一般に耳管の角度は18°前後)
ハーベーDLX
特に心臓の聴診に適します。
他と比較すると、心雑音のグレードが1ランク大きく聞こえるのが特徴
採音部が3 つ(トリプルヘッド)および2つ(ダブルヘッド)の2 種類があります。
いずれにしてもチェストビースが重く、首からぷら下げると鎖骨にあたって痛い!
●循環器聴診もサポートするハイグレードモデル
真鍮製のチェストピースは低周波領域の聴診に効果的で、肋骨間で使用できるサイズのベル部分は、クリック音(Click Sound)・心雑音(Murmur Sound)・駆出音(Ejection Sound)などの音もより確実に聴診いただけます。
デュアルチャネルのPVCチューブは左右の耳に独立した聴診経路を確保した雑音に強いデザインです。
付属のコルゲート(波型)ダイヤフラムは振動面積を広げ、確実に音を伝えます。
●快適な装着感でよりクリアな音に
耳金具は角度と圧着加減の調整が可能で、診察者の外耳口にしっかりとフィットさせることで音を逃さず装着感も快適です。
■チェストピース
低周波領域の聴診に効果的な真鍮製のチェストピースを採用しています。
■バイノーラル
デュアルチャンネルPVCチューブにより左右の耳へ独立した聴診経路を確保でき、雑音にも強く、耐久性に優れています。
■イヤチップ
診察者の外耳口に合わせて耳金具の角度調節が可能。さらに圧着加減も調節できます。
amazonレビューも高評価です。
心音と肺音の、レベルアップには聴診器から変えてみるのもアリです!
本ブログでは、詳しく知りたい飼い主、獣医学生、進路や勉強に悩んでいる獣医師向けに、
出来る限り詳細に書いていますので、ぜひ他の記事もお読み下さい。
参考になれば嬉しいです。ここまでお読みいただきありがとうございました。