雑記

現役臨床獣医師が解説する、大学病院、1次病院、2次病院の違い(勤務時間、給料、特徴)

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来年卒業だけど、どういう病院に就職したら良いの?

給料はどれくらいなの?

就職は大学病院の方がいいの?

病院のホームページを見たけど、どこを見たらいいのかわからない。

新卒で就職した方がいい病院ってあるの?

本記事では、新卒獣医師が悩むであろう動物病院の選び方を解説します。

また、私が、就職活動をするときに必要だった情報をまとめました。

こんな方におすすめ

  • 動物病院の就職活動にお悩みの方
  • 動物病院の選び方がわからない方

この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、

論文発表や学会での表彰経験もあります。

経歴

経歴

国立大学獣医学科卒業 →東京大学附属動物医療センター外科研修医 →都内の神経、整形外科専門病院 →予防医療専門の1次病院 →地域の中核1.5次病院で外科主任 →海外で勤務

東京大学では、重度の症例を学び、専門病院では神経、整形外科に特化し、1次病院で予防医療、

1.5次病院で全ての外科手術、内科治療も担当。

日本の獣医外科分野で一番大きい、日本獣医麻酔外科学会でアワードを受賞しています。

そのため、記事の信頼性担保につながります。

現役臨床獣医師がおすすめする新卒獣医師の就職活動

新卒獣医師がまず考えるべきこと

病院を選ぶにあたって最も大事なことがあります。

それはどういう獣医師になりたいかということです。

?そんなのわかってるよ!

って言われるかもしれません。

獣医業界は狭いです。

これは就職してからも、非常に痛感します。

すぐやめたとなれば、そんな情報はすぐに広まってしまいます。

だからこそ、一つ目の病院は慎重に決めなければいけません。

その病院で何を学んで、理想の自分に近付きたいかを考えなければいけません。

  • 町の小さな病院で、飼い主と距離が近いジェネラリスト先生になりたいのか
  • 大学病院で、バリバリ研究もしたいのか
  • 2次病院で、積極的な手術や内科治療の治療などスペシャリストな専門性を高めたいのか

例えば、私は海外で獣医師として働きたかったので

東京大学で、勉強しながら、様々な先生とのつながりを求め

次に整形病院で、研究を重ねて、アメリカの先生とつながりを持ちました。

その次にお金を貯めるため、今までの経歴を使って、給料のいいところで働かせてもらい、今に至ります。

自分の思い描く獣医師像をしっかり考えて、病院を決める必要があります。

よく聞くのは、診察させてもらえない、掃除ばっかりさせられる、成長を感じないなどです。

こうならないように、自分の目標に合った病院を選びましょう!

動物病院の種類

動物病院は大きく

  • 大学病院
  • 2次病院
  • 1次病院

に分かれます。

それぞれ特色があります。

病院によって遭遇する病気の種類も全く異なり、得られる経験も異なります。

私が経験した中でそれぞれの特徴をまとめてみました。

大学病院

大学病院で働く場合は、研修医としてまずは働くことが多いです。

経験できる病気は、重い病気が多いです。

麻酔管理が難しい症例や、進行している腫瘍、放射線治療を求める場合が多いです。

更に輸血や、麻酔後・術後の管理がしっかり学べることも重要です。

複数の先生が在籍しているので、様々な先生の治療方針、インフォームに触れることができます。

一般の病院では遭遇する機会は少ないですが、こういう病気もあるという背景を知ることができます。

見逃すと危険なことになると、自分の中でいろんな病気の末期を知ることができるので、

最悪の場合を考えて診察に臨むことができます。

またほとんどが紹介症例なので、ある程度の病名はわかっています。

だからこそ事前に教科書で勉強して臨むことができるのが強みです。

飼い主も積極的なことが多いので、対症療法ではなく、積極的な治療をすることが多い。

難しい症例に当たった時に、治療の選択を学ぶことができます。

また大学病院は平日のみで、教育病院なので、一つの病気に対してじっくり学ぶことができます。

しかし、予防医療や寄生虫、ノミダニ、フィラリア、ワクチンなどは学ぶ機会がないです。

2次病院

休みがないところが多いため、経験できる病気は、大学病院より多いです。

経験できる病気の種類はそんなに変わらないと思われます。

飼い主も積極的な人が多いので、治療をどんどんできる。

ただ、一人の先生がトップに立っていることが多く、その先生にのやり方に染まる危険性がある。

経験はできると言っても、大学病院とは異なり、教育病院ではないため、積極性が求められる。

病院によっては、予防や一般診察を受け入れているところもあるので、両方を学ぶことができます。

1次病院

ほとんどが、軽い病気や予防医療が主です。

中には重い病気が紛れていて、上記の病院に紹介することがあるため、見逃しには注意が必要です。

漫然と、いつもと同じ病気と甘い考えで薬だけ出したりしていると、取り返しのつかないことになるかも...

しかし、病気の場合でも、飼い主が積極的な治療を望まない場合は、もやもやした結果になることも。

「お金がない」、「ペットも高齢だから」そんな理由で断る飼い主が嫌になることもあります。

治療を受け入れてくれないと、勉強になりません。

寄生虫やワクチンに関しては、多いためしっかり理解できます。

また、飼い主のホームドクターとなるため、上記の病院よりも飼い主との距離が近いです。

動物病院の給料、勤務体系、勤務時間の違い

さて、大学病院、1次病院、2次病院の給料、勤務時間、勤務体系はどう違うのでしょうか?

大学病院

私が東京大学にいたときは、

月曜日・木曜日 8:00~22:00程度

火曜日・水曜日 8:00〜夜中2:00 手術日のため手術が終わったとは夜中交代で見回り

金曜日     8:00〜18:00頃

土曜日・日曜日 動物の状態によっては交代で見回り

これに夜勤、宿直が入ります。

大学にもよって異なりますが、月収15−20万円前後

2次病院

拘束時間は大学病院よりかは短いです。

私がいた病院では

8:00~19:00程度

急患が来たときでも20:00には帰っていました。

年中無休の病院でしたが、シフト制で週休2日

勤務年数によって上昇します。

ボーナス支給も、病院によってはあります。

月収28−80万円前後

1次病院

週に1日は休みのところが多いです。

4,5月の予防時期は非常に忙しいが、それ以外は比較的ゆったりとしている。

朝は同じく8時から出勤のところが多いです。

特に11月~2月は15時に終わることもあります。

また、暇な時間帯は、勉強することもできます。

地方は安いですが、都心部は高額です。

月収30−70万円前後

ずっと働いていると、院長になれる可能性、継承の可能性もあり。

各動物病院のメリット、デメリット

ここからは、私が経験し、学んだそれぞれのメリット、デメリットをまとめていきます。

大学病院

同時期に6−8人程度募集、雇うため同期が多い

一つの病気を深く勉強できる

それを確実にこなしていくと、膨大な知識量になる

忙しい中でも、積極的に動く事で、非常に勉強になる

外科として入っても、空いた時間に内科に行くなど

給料が少ない

自由な時間が少なく、常に何かに追われる日々

2次病院

給料がいい

休日もしっかりもらえる

セミナー費用や家賃、交通費が支給されることが多い

自分で治療をするよりかは、院長の補助になることが多い

そういう意味では、目的を持って入社しないとやりがいがなくなる

1次病院

診察数が圧倒的に多い

長年勤めていると、全ての手術を任されることもあります。

一般診察を学び、数をこなす力がつく

例えば、お腹が痛そう、下痢、吐いた、なんか調子が悪い、皮膚の病気など

予防の大事さ、見逃すことができない危機管理を学べます。

全ての飼い主の下請けです。

自分では対応できるかできないかの線引きができます。

積極的な治療=全ての飼い主、ペットにとってベストではないとわかる

それぞれの環境にあったオーダーメイドの治療ができます。

治療を望まない飼い主に対しては、煮湯を飲むことも。

自分勝手な飼い主に出会い、この仕事が嫌いになる可能性もあります

院長のレベル=その病院の医療レベルの限界

目的別に考える各動物病院の違い

給料を重視

給料だけで考えると、2次病院に長く勤めることが一番です。

しかし、使う時間があまりないです。

自分のライフスタイルも重視

休みも比較的多い1次病院がお勧めです。

大学病院はあまりお勧めしません。

また、2次病院の場合も、休みの日は院内セミナーがあったりと、完全な休みは少ないと感じます。

積極的な医療重視、バリバリ治療・手術したい!

大学病院や2次病院では、最新の治療や技術を使った治療を、間近で見ることができます。

見方によっては、自分の態度次第で、受け身でなく、自発的に能動的に積極的になるとかなりの技術や知識を吸収できます。

1次病院であれば、飼い主が望まないことで煮湯を飲むこともあります。

また、場合によっては、2次病院であれば、自分だったらこうするのにと不満に感じてしまうこともあります。

 

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