今や、教科書でも付属の動画や付加価値にアプリやソフトを付けることは少なくありません。
それほど、スマートフォンやタブレットが普及していました。
また有志が作っている、アプリが公開されていることも少なくなく、
それらは実際の現場の状況を反映しているので非常に有効です。
英会話アプリなどはもちろんですが、医療系のアプリも多数存在しています。
特に医療系のアプリは、専門家が携わっており、臨床の現場で使えるものであることが多いので、
ダウンロードしてすぐに即戦力になることも多いです。
教科書だけで学べるのも限度がありますし、アプリなどを有効に使って、賢く勉強していきましょう。
特に新卒獣医師は、スキルアップを期待している、また、必要とされていることが多いでしょう。
今回は、特に学習しにくく、遭遇頻度の少ない、整形疾患、特に骨折や前十字靭帯断裂に非常に有効な武器となるツールのアプリを紹介します。
遭遇頻度が少ないため、手術のハードルが高いですが、手術しないと治らない病気でもあるため、
特に慣れない人にとっては術前計画が大変重要となります。
しかし、骨折や前十字靭帯断裂は、整形疾患の中では多い疾患で、治療はほとんどが手術が必要になります。
最近では、3Dプリンターを使ってされる方もいますが、まだまだ一般的ではありませんし、非常に高価です。
また、CTデータであれば#d構築は可能ですが、レントゲンで診断できる骨折や前十字靭帯は2次元のまま手術の計画を立てる必要があります。
そんな術前計画をサポートしてくれるアプリが、今の所3つあります。
なかなか出会う頻度の少ない疾患のため、診察できた時は、このようなアプリを使って説明するのもいいですし、
実際の手術の前に、しっかりトレーニングをして術前計画を立ててから行うと成績もいいですし、安心して手術が可能です。
獣医学生や新卒獣医師にとって、忙しい臨床の合間を縫って効率よく勉強することは非常の重要です。
スキルアップを考える新卒獣医師は、便利なアプリやソフトを駆使して診断技術の向上や整形の勉強、
手術実績を高めていきましょう。
整形が好きならもちろん、そうでなくても診察で来る可能性はありますので、アプリを使って苦手を克服しましょう!
こんな方におすすめ
- 犬猫の整形、骨折の勉強・術前計画におすすめアプリを知りたい!
- 効率よく整形の勉強がしたい!
- 普段の臨床診察で忙しくて、犬猫の整形の勉強の時間が作れない!
- 骨折が苦手で、固定方法がわからない。
- 他の獣医師と、骨折の術前計画について相談したい。
- 骨折手術や前十字靭帯断裂整復TPLOの術前計画を簡単に計画したい!
- TPLOや変形矯正などの、骨切りを直接イメージしたい!
ということがわかるので、ぜひ最後までお読みください。
私は、現在は獣医師として、主に整形外科手術を担当にして、働いています。
以前は東京大学で勤務し、学会でもアワード賞をいただきました。
その際に勉強になったおすすめの教科書をご紹介します。
詳しくは、『プロフィールや獣医師そらんの手術歴』をお読みください。
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管理者のプロフィール
こんにちは、獣医師そらあんです。 この記事を書いている私は、大学病院、専門病院、一般病院での勤務経験があり、 論文発表や学会での表彰経験もあります。 今は海外で獣医の勉強をしながら、ボーダーコリー2頭 ...
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新卒・新人獣医必須!犬猫の整形、骨折の勉強・術前計画におすすめアプリ・ソフト
犬猫に対する獣医整形外科のアプリは調べたところ4つあります。
そのうち日本語は1つで、後は全てヨーロッパの会社からリリースされています。
海外製はもちろん英語ですし、
インプラント会社が製作しているものは、当然ですが他社製品は入っておりませんので、
自社製品の販売促進のためとも言えます。
そのため、選ぶのであれば、インプラント会社以外の会社から出ているものをお勧めします。
VOSS
VOSSは、獣医整形外科手術 シミュレーター Veterinary Orthopedic Surgery Simulatorの略称で、
iphone, ipad (iOS), Macbook (OS:M1), Android搭載デバイスで利用可能なアプリです。
無料で30日間のトライアルがあり、トライアル終了後は、1500円/月で使用可能で、他のアプリと比べても安くなっています。
日本の会社のため、アプリ内言語は日本語です。
また、インプラントも日本で一般的に流通している会社のものが採用されています。
詳しい機能の紹介は、アプリのHPでされていますが、
多種多様な画像編集ツール 目的に沿った、さまざまなツールを用意されています。
さまざまなニーズに応えるために、自由度の高い編集が可能です。
- 測定や、カット、回転、コメントの挿入
- 定規・円では2点間の測定や角度、直線の分割表示
- Crescentic cutでは円弧上のカット
- 回転 Free cutでは任意のエリアを指定して、回転・移動
- Wedge cutでは変形矯正のシミュレート
Implantベンディング機能骨に沿った、インプラントの変形が可能手術前に、
事前にインプラントをベンディングする際に有効また、インプラントをベンディングした状態でのシミュレートが可能
このアプリには、TPLO専用の機能が準備されており、TPLO Flow機能で、よりスムーズな術前計画が可能となっております。
ダウンロードは下記からどうぞ!
https://apps.apple.com/jp/app/voss/id1581543432
vPop pro
vPop proはVeterinary Preoperative Orthopaedic Planningの略称で、
iPhone,iPad,MacOS,Windowsで使用可能なアプリです。
こちらも上記のアプリと同じような操作は可能ですが、全て英語です。
制作会社はイギリスにあるためか、
VETSOS Education Limited is a company registered in England and Wales with company number 10711944
使用できるインプラントの会社も日本には馴染みのないものも多いです。
メリットとしては、ブラウザでも使えることができるので、アプリをダウンロードしていなくても使用可能です。
こちらも1ヶ月は無料で使用可能ですが、その後は、
After the trial period a PRO in-app subscription is required available at an introductory price of £12.49 a month or £124.99 a year.
と記載があるので、
1ヶ月1961円
1年間19631円となります。
BETA
最後はBETAというアプリですが、こちらも同じような操作やカット、移動はできますが、
機能面では一番少ないです。
最大のメリットは無料ということなのですが、使用できるインプラントが少ないのがデメリットです。
実はこのアプリはBETAという、インプラント販売会社から配布されているアプリのため、アプリ内に自社インプラントしかありません。
Address :
Polígono Chan da Ponte, Parcela 10 – Nave 11
CP. 36450 Salvaterra do Miño (Pontevedra)
とのことなので、スペインの会社のようです。
また、アプリ内は全て英語です。
しかし、インプラント制作会社が作っているため、3D-CADという、インプラントの元データを持っているためか、
アプリ内のインプラントが非常にきれいです。
Bright Box
BrightboxはBiomedtrixからリリースされているソフトです。
そのため、インプラントも現在はBiomedtrix社から出ているものしか使用できません。
また、これはアプリではないため、PCからしか使うことができません。
またログインして使用する、ブラウザ型のソフトのため、インストールは必要ないですが、ネット環境が必須となります。
操作面も、アプリのような直感的な絵もなく、かなりわかりづらいのが使ってみての感想です。
またもちろん全て英語です。
BrightBox digital templating is available now starting at only $8 per month. To start your one-month free trial
とありますので、1ヶ月は無料で、その後は1ヶ月千円程度のようなので、一番安いですが、日本でよく使うシンセス社は入っておらず、
今後拡張する場合も、KYONとVOI社のインプラントのみのようです。
本ブログでは、詳しく知りたい飼い主、獣医学生、進路や勉強に悩んでいる獣医師向けに、
出来る限り詳細に書いていますので、ぜひ他の記事もお読み下さい。
参考になれば嬉しいです。ここまでお読みいただきありがとうございました。